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北京の歯科事情

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はじめに

 

急な歯の痛みや、詰め物がとれてしまった時など、まずは、最寄りの歯科にかかり、応急処置をしてもらい、帰国した際に、きちんと治療する方も多いのではないでしょうか?というのも、海外での歯科治療は、日本での治療に比べると高額で、お持ちの「海外医療保険」の適用外になってしまうからです。一般的に海外医療保険の場合、事故で歯が折れた、差し歯が壊れたなどには適用されますが、虫歯や歯槽膿漏などの治療は適用外となってしまいます。最近では、特約で歯科のオプションをつけ、歯科治療にも対応する保険もあるようです。

 

ただ、海外での生活が長くなればなるほど、帰国まで待てない歯の病気や、歯科矯正などといった一貫した歯科治療が必要となってくるでしょう。ですので、病院だけでなく、いざという時にかかれる歯科をみつけておくことも大切です。

 

海外での歯科事情

 

海外で歯科にかかる上で最も大切なことは、医師にいわれるままに治療をするのではなく、治療を始めて費用が発生してしまう前に、治療方法についてしっかり質問をしておくことです。中国における歯科治療費は、同じ治療でも安いものから高いものまで様々です。費用の関係で「とりあえず応急処置」だけを希望し、日本に帰国してから保険を利用してきちんと治療をするつもりでいるのか、それともしっかり治療をしたいのか、また「すぐに処置をしなくてはいけないのか」「次回の帰国まで待っても大丈夫なのか」「抜歯しか方法がないのか」など、治療方法にもどんな選択肢があるのかをきくことも大切です。

 

海外の歯科治療は一般的に海外医療保険が効かず、帰国した際に、日本の国民健康保険や社会保険に申請することはできます。ただ、海外で設定されている料金の方が高額なため、実際に還付されるのは現地で払った料金の7割以下(時には3割程度)になってしまうということも念頭にいれておくといいでしょう。

 

北京での歯科選び

 

日本語の「歯科」に該当する中国語は「牙科(yake)」で、「口腔科(kouqiangke)」というのは、総合病院にある診療範囲の広い歯科に該当します。北京の歯科は、国立病院付属の歯科、ローカルのチェーン展開しているデンタルクリニック、そして、外資系デンタルクリニックと大きく分けて3つの選択をすることができるでしょう。

 

まず、国立病院では、最も良いとされている北京大学口腔病院の他に、北京301病院、北京306病院、北京大学第三病院などが有名です。優れた医師が多いといわれていますが、国立病院なので、患者さんの数も圧倒的に多く、登録はもちろん、診察までの待ち時間がかなり長いということです。また、診察時間の短さや、医師の態度にも大きな問題があるといわれているようです。

 

ローカルでチェーン展開しているデンタルクリニックとして有名なのは、瑞爾歯科(Arrail Dental)、バイアル口腔(iBYER Dental Group)、佳美口腔(Jia Mei Dental)などが挙げられるでしょう。最近では、いたるところに、こういった看板がみられるようになってきたのにお気づきではないでしょうか?国立病院にくらべると費用は多少高くつきますが、それでも外資系クリニックに比べるとまだ安く、国内外の有名な大学の医学部を卒業した医師も多く、設備も充実しています。ただもちろん、英語、ましてや日本語を話せる医師がいるとも限らないので、普段聞き慣れない歯科関係の専門用語を中国語でやりとりするのは容易ではないはずです。

 

そして、最後に、外資系デンタルクリニックですが、費用は日本に比べるとかなり高額となってしまいますが、日本や米国で免許をもち、きちんとトレーニングをうけた医師達がいるので、安心して受診することができるはずです。また、歯科選びのポイントとして、料金や言葉が通じるかなどの他にも、清潔・消毒レベルも非常に重要です。歯科治療において感染する病気もあるので、治療を受ける前に、実際に消毒滅菌をどのようにしているかなど質問して、その対応をみてみるのもいいでしょう。一般的には、やはり外資系デンタルクリニックの方が消毒レベルにしても安心です。また、ローカルクリニックや国立病院と大きく異なる点は、治療のみならず、予防にも重きを置いているところです。世界保健機関では、半年に1度歯科の検診と歯科クリーニングを受けるよう呼びかけています。

 

外資系クリニック、例:北京ユナイテッドファミリー病院・口腔科

 

北京ユナイテッドファミリー病院・口腔科では、それぞれの専門分野で10年ないし20年ほど経験を積み重ねた医師が揃っており、中国語のみならず、日本語、英語で診察が可能です。また、清潔・消毒面においても細心の注意を払い、上質な医療用消耗品の使用など、安心して受診していただける環境づくりを心がけています。虫歯治療のみならず、インプラントや歯科矯正サービスも充実しています。

 

歯科治療においては、全ての歯を対象とした精密な検査と診断、及び必要な治療内容などを盛り込んだトータルプランを立てることをお勧めしています。例えば、詰め物の状態、虫歯の有無、口腔衛生の評価、歯肉炎、歯周病や噛み合わせの問題などです。虫歯や歯周病といった病気は実は予防ができるのです。

 

急に歯が痛くなったり、詰め物がとれてしまった時の対応もしっかりしています。診察や治療に先立って、歯並び4枚と歯根部2枚の全歯対象のレントゲン写真を撮影し、全体の状況を把握した上で、治療に際しての優先度や見積もりを考えたトータルプランを立てていきます。また時間の管理や確保ができるように、予約制を実施しています。なかなか来院が難しい患者さんの場合でも、1回の診察で、数本の歯を同時に治療したり、事前にスケジュールをみながら複数の予約を取っておくことも可能です。

 

また、北京ユナイテッドファミリー病院では、手術支援ロボットダビンチなど、最新の医療機器の導入も積極的にしています。普通は複数回に分けて行われる処置も、顕微鏡下で1回で済ませることも可能です。口腔科も同様で、歯の型取りでは、詰め物の作成とインプラントは、それぞれ実施するのが一般的ですが、CAM/CADを用いて1回の診察で済ませることができます。更に、歯の治療が終わった患者さんには、半年に1度の定期検診と歯科クリーニングを実施することで、予防も積極的に行っています。

 

文責:
北京ユナイテッドファミリー病院・日本部
監修:
北京ユナイテッドファミリー病院 口腔科
呉建 (Wu Jian)医師