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4月「各大学日本人留学生会連絡会」開催さる

出所:留学生委員会 作者:留学生委員会 日期:2008-11-13 クリック数:
4月「各大学日本人留学生会連絡会」開催さる 1  
各大学日本人留学生会連絡会
 北京での反日デモの余韻がさめやらぬ4月15日、各大学日本人留学生会(※1)の代表者と大使館領事部、北京日本人会の連絡会が、学生街:五道口で開催された。会場には日本のマスコミ数社の取材も見られた。今回で通算3度目の開催となるこの連絡会、天安門事件から15年を迎えた昨年来、留学生委員会が中心となり、各大学に自然発生的に存在していた日本人留学生会相互、また同時に日本人社会との連携を深め、SARSの経験を活かした危機管理体制を構築するべく、斉藤法雄領事部長のご出席の下で開催を定例化してきた。2月の開催時には、このような事態に直面するとは誰しも思っておらず、ただ「危険が発生してから体制づくりをしても間に合わない」という思いから情報連携の強化を図ってきたことが、実際にデモに直面して、その効力を発揮するに至ったのである(※2)
 今回の連絡会では、斉藤領事部長からデモの被害や日本人としての注意事項などのお話があり、特に日常的に中国人学生に接している留学生が一番危険な立場にあるとの認識を示され、情報に敏感になったうえで慎重の上にも慎重を重ね言動に気をつけるように、とのご指示があった。あわせて参加6大学(北京、清華、人民、首都師範、語言、外大)からは、デモ発生時の学内の様子、学校当局の対応、学生会の連絡体制、登録人数や学校当局との関係などについてヒアリングを行った。また、上記以外の大学に在籍している留学生委員からも各大学の状況について報告があった。共通しているのは、各大学ともに入校時の検査体制強化や、大学側から学生会を通じて中国人学生にデモ不参加を呼びかけているなど、デモ拡大を必死に抑えようとしているということであった。一部、学内で反日の署名運動が行われた大学もあったが、日貨排斥のチラシなども学内から徹底的に撤去されており、学生運動として、デモが拡大しつつあるわけではないことが確認された。また一部の大学では、予定されていた日本文化祭や国際文化祭などの行事が延期もしくは中止になったケースもあり、また一部大学では、日本文化系のサークル活動に自粛を求める大学当局の指導が出ていることもわかった。さらに、大学の留学生事務所や中国語の担任の先生から、日本人学生に対して注意喚起が行われたところもあり、学校当局も今回のデモの発生により、日本人留学生の安全に配慮せざるを得なかったということが察せられる。出席者からは、他大学の状況を知ることは冷静かつ客観的に情勢を判断する為に非常に有益であり、今後もこのような連携体制を維持していきたい、との声が聞かれた。
 実はこの連絡会に先立ち、学期の始まりである3月から4月にかけて、各大学ごとに「新入生歓迎会・ガイダンス」を行ってきており(※3)、斉藤領事部長自らご出席され、それぞれに集まった50人から時には100人を越える留学生に、中国における注意事項などレクチャーして頂き、留学生が領事部長と親しくお話する機会を得てきた。斉藤領事部長の本当に小まめな対応に感謝するとともに、今後も留学生委員会としては、連絡会を通じて各大学の情報交換を図り、とかく日本人社会や安全情報から漏れがちな留学生に対して情報連携を行えるよう、各大学の留学生会との連携を強化していきたい。
※1 6月現在、北京大、清華大、人民大、首都師範大、語言大、北京外大、北京師範大、中医薬大に留学生会が存在しており、各大学30人~250人のメーリングリストを管理運営し、情報共有に努めている。
※2 北京でのデモ情報は木曜日の時点で日本人会副会長、領事部長からそれぞれ連絡が入り、各大学の留学生会代表へその日のうちに行き渡った。それを受けて、各学生会ではメーリングリストや口コミでデモ情報を共有しあい、デモ予定地域への立ち入りや不用意な言動への注意を喚起することが出来た。
※3

3月4日の北京大学新入生歓迎会を皮切りに、4大学で夕食を交えながら開催。領事部から各学生会に対して運営費の補助が行われた。目下、日本人会留学生委員会としては「連絡会」の開催を主催しているのみで、公式に各大学の「歓迎会」に参加・補助を行ってはいない。各大学に所属する留学生委員が、個人の立場でその運営に携わりつつ、切り盛りしているのが現状である。


6月「各大学日本人留学生会連絡会」開催さる 2
 さる6月4日正午、学生街:五道口にて、今年三回目(本年度二回目)となる各大学日本人留学生会連絡会が開催された。今回は、前回4月の連絡会を受けて、その後の各大学内の状況について報告があった。また、斉藤領事部長から、今後大きなデモが発生する可能性は低いものの、7月から8月に向けて各種の記念日が控えており、抗日戦争ドラマなどの放映も予定されていることなどから、引き続き注意が必要であるとのお話があった。
 今回情報交換を行ったのは、(1)各大学の留学生総数と日本人留学生の占める割合
(※4)、(2)メーリングリストの現状と利用方法について。ほとんどの学生がメールアドレスを所持している状況に鑑み、情報連携は専らメーリングリストで行っている。その中身は、大使館からのメールの転送であったり、他大学の情報であったり、イベントや学校行事の告知であったり、多様である。そこで、情報過多というか、本当に大事な「緊急情報」が、いざという時に見てもらえないのではないか?という課題に直面している学生会も出てきている。清華大学では、そういった事態に備え、予め緊急用と生活情報の告知用に二種類のメーリングリストを用意しており、会員がそれを選択できるようにしているということで、他大学の関心を集めていた。各大学の運営状況をお互いに参考にしながら、今後は各大学のメーリングリスト加入者(※5)を増やしていくことが目標にあげられた。
 また、引き続き各大学において「新入生歓迎会・ガイダンス」を実施し、領事部と日程の調整を計っていくことを確認した。次回の「連絡会」開催は、秋学期開始後、9月もしくは10月に予定している。
※4 北京大学:留学生総数1518名(日本人208名、韓国人792名)
清華大学:留学生総数1445名(日本人162名、韓国人714名)
人民大学:留学生総数約1000名(日本人104名、韓国人800名)
北京師範大学:留学生総数約1500名(日本人200名、韓国人900名)
首都師範大学:留学生総数約700名(日本人70名、韓国人600名)
北京中医薬大学:留学生総数約1000名(日本人40名、韓国人800名)
北京語言大学:留学生総数約2800名(日本人450名、韓国人700名)
北京外国語大学:日本人学生数350名
いずれも、留学生弁公室発表。今学期の(おおまかな)長期留学生の数。
※ 5

北京大学のメーリングリスト加入者は250名(短期生含む)、清華大学100名、人民大学80名など、おおよそ6割から7割の学生を把握している。しかし、新しく結成された大学では3割程度に留まっているのが現状である。

各大学日本人留学生会連絡会

「連絡会」を開催して
文責:高邑 勉(副委員長;北京大学)
 一昨年、留学生委員会(当時「企画委員会」)の副委員長を拝命して以来、留学生向けのイベントを企画運営する傍らで、北京日本人社会の中での我々の役割とは何か、常に考えさせられてきたわけであるが、この一連の「連絡会」開催により、その方向性が定まってきたと言えるのではないか。
 そもそも、北京日本人会の発足は16年前の天安門事件に遡る。当時課題となった、「危機管理」(特に留学生への対応に混乱が生じたと聞き及んでいる)こそが、日本人会の本来の存在意義であり、特に我々、留学生を対象とする委員会の責務なのではないか、という認識を新たにしている。そのことを如実に物語ったのは、一昨年のSARS騒動ではなかったか?そこで、天安門事件への対応における反省が生かされたのか?
 こと留学生に関しては、残念ながら「否」であろう。
 SARS直後、私は所属する北京大学で、外務省派遣の留学生と一緒になって、「日本人留学生会」なるものを立ち上げ、メーリングリストを活用しつつ学内の情報共有に努めた。聞くに、以前も「留学生会」なるものが存在していたそうだが、いずれも長続きしなかった模様だ。周囲の大学との情報共有は、個人的な関係で補うことも可能であったが、仕組みとしては極めて心もとない。また、要(かなめ)の人間が帰国してしまえば、その「個人」のネットワークは引き継がれないのである。こうして、これまでの北京大学の留学生会は勃興を繰り返して来たのではないか?そこで、10年の歴史を持つお隣の清華大学の留学生会に教えを乞い、意見交換の中から生まれたのが、現在の北京大学日本人留学生会である。会長も、外務省の派遣生から20歳の本科生が引き継ぎ、今ではメーリングリスト加入者が250名を越える大所帯に成長した。しかし、北京大学の中だけでは、いざという時の肝心な「情報」が正確にかつタイムリーに入って来ない。そこで考えたのが、領事部・北京日本人会との三位一体の情報連携体制である。
 昨年来、留学生委員や知人の協力を得て、他大学にも同じように留学生会をつくる働きかけを行い、フォローを行なって来た。そうして実現したのが、「連絡会」である。このネットワークの有効性は、今回のデモへの対応において実際に発揮されたと思っている。しかしながら、連携できている大学はまだ一部に過ぎず、公称2,500名、実際は3000以上とも言われている北京の留学生のうち、数百人の「非公式かつ間接的なネットワーク」に過ぎない。また、日本人会所属の委員会活動という観点から言えば、日本人会のイベント告知をメーリングリストによってこれまでよりも広範に行えるようになったことを除いては、日本人会組織への直接的な貢献を果たしていないのかも知れない。

 3月中旬に当委員会が開催した「留学生向け生活情報セミナー」に参加した一学生が、その前日に所属大学の日本人留学生会が主催した「新入生歓迎会」に出席し、そこで領事部長と実際にお話をする機会があったそうで、感激した、との感想を語ってくれた。
 「国や日本社会が、自分たち留学生のことを考えてくれているとは思っていなかった。」

 現在、走り始めたばかりの「連絡会」であり、「新入生歓迎会」(※実際には各大学に所属する留学生委員が主体的に運営しているが、委員会直属のイベントではない)であるが、いずれは、当委員会の委員構成も「各大学の学生会代表+有志委員」というようにその構造を進化させていきたいと考えている。今後とも、領事部のご理解と我々の地道な取り組みが、留学生の危機意識を向上させ、ひいては北京日本人社会の危機管理能力を高めることに繋がると信じている。その為にも、日本人社会に接する機会の少ない留学生に対して、引き続き有益な情報発信を行なっていくことを確認するとともに、関係各位の更なるご理解とご支援をお願いしたい。


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